ダニが原因の「疥癬(かいせん)」をご存知ですか?

疥癬は昭和初期に大流行した皮膚疾患で、目に見えないほどの極めて小さなダニ「ヒセンダニ」の寄生によって引き起こされる病気です。

ヒセンダニは皮膚の角質の中に寄生しますが、このときに角質の中に残される排泄物や脱皮した殻などによるアレルギーのため、その部位が赤くなり、強いかゆみを感じます。

卵を持つ雌は角質の中にトンネルを掘り、一日あたり2〜3個の卵を1か月間産み続けます。

このトンネルは疥癬トンネルとして視認でき、この病気に特有の症状です。

疥癬の病型には通常疥癬と角化型疥癬があります。

通常疥癬の症状は丘疹と結節があり、かゆみが非常に強いのが特徴です。

通常疥癬の場合は濃厚接触しなければ感染する可能性は低いです。

一方、体力や免疫力が落ちた人にヒセンダニが寄生すると、角化型疥癬を引き起こすことがあります。

骨ばったところや摩擦を受けやすい場所に厚く増殖し、垢が出ます。

かゆみは強い場合も、まったく無い場合もあります。

感染力が非常に高いため、細心の注意を払って患者に接触しなければなりません。

かつては栄養不足や悪い衛生環境のため流行したと言われていますが、現在も高齢者やその介護者に発症が見られます。

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